現在の住宅不況はこれまでの住宅政策が効かない、住宅は新たな局面に入ったのかもしれない
国土交通省が公開している新設住宅着工戸数の推移のグラフ。平成19年度(2008年3月期)は103万戸にまで落ち込んでいることがわかる。
2009年以降も回復は期待できない状況となっており、今期は過去最低を記録する可能性が高くなっている。
しかし、かねてより「年間80万戸が妥当な数値」だという論者もいる。
その論点は
①実需としての住宅(真の需要)
②空き家とのバランス(供給構造)
の2点である。
①実需としての住宅(真の需要)は、実際の着工戸数よりも少ないということ。新設住宅着工戸数の内容を見ると、ざっくりと貸家:3割、分譲住宅:3割、持ち家:4割の3つにわけられる。このうち建設着工時に確実な実需はほぼ「持ち家」だけで、「貸家」も「分譲住宅」も入居者が決まっているわけではない。特にアパートやマンションなどの貸家は、地主が相続税の節税対策のために建てる例が多く、地域の実情を反映したものとは限らない。さらに都市部のマンションは投機的な売買も多く、実需とは乖離している点も否めない。
②空き家とのバランス(供給構造)は、世帯数と総住宅数を比較するとわかりやすい。現在、日本の世帯数は4999万世帯。一方、総住宅数は5759万戸であり、世帯数と比較すると供給過剰になっていることがわかる。実際に総住宅数5759万戸のうち、空き家は756万戸となっており、空き家率は13.1%と過去最高になっている。(出典は総務省)
つまり、日本の住宅は実需を超えた供給が常態化していたわけである。
住宅も構造調整局面にならざるを得ないだろう。
今後は、空き家を流通させるマーケットがますます機能していくことで身の丈にあった住宅を選択できるようになるだろう。そして、持ち家は、ライフスタイルに適した高品質な注文住宅を選択する傾向が強くなっていくのではないだろうか。
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